騒音や人ごみの多い都会で暮らしていると、田舎暮らしを考える人もいるのではないでしょうか。
私自身、高校生の時、毎日通学で満員電車で押しつぶされ、それが嫌でその頃から地方移住、田舎暮らしを考えていました。
リモートワークが普及して仕事のスタイルが変化している今、家賃の高い都会に住む必要性もなくなりつつあります。そんな今こそ田舎に移住するチャンスとも言えます。
この記事では田舎暮らしを考える人に田舎で暮らして良かったこと、不満に思うことをちほにゃんの実体験をもとに紹介していきます。
生活の基盤を都会から田舎に移すのは生活を180度変えるようなものです。都会に住むうえで良いこと悪いことがあるように、田舎にもちろん不満に思うこともあります。それでも私自身、都会に住むよりも田舎のほうが良いと思い、現在も田舎暮らしを続けています。
田舎の現実を知り、素晴らしい田舎暮らしをスタートさせる参考になると幸いです。
田舎暮らしの良いこと
まずは田舎暮らしをしていいと思ったことについて解説していきます。参考にしてみてください。
1.自然を感じる
田舎暮らしのイメージとしてまず思いつくのは大自然の中で生活することです。雄大な山々に囲まれていたり、目の前が海で、水平線に沈む夕日を見れたりと、開放感ある場所でのびのび暮らせます。
また、シカやキツネ、りすなど様々な動物を見ることもでき、都会では味わえない自然を感じることができます。
カーテンを開けたら窓越しにシカさんと「こんにちは」なんてことも。
私が住む場所は雪も降る地域なので、季節によって違う表情を見せる自然を味わうことができるのも田舎暮らしならではの魅力です。
2.気軽にアウトドアを楽しめる
山と海が近いので、山菜採りや釣りなど空いた時間にふらっとできます。
都会では近所を気にしてなかなかできないバーベキューも田舎では気にせず好きにできます。バーベキュー場の空き状況や、混雑、行きや帰りの渋滞など気にする必要がありません。
雪が降る地域ではスキー場がすぐ近くなんてこともあります。その場合高速代等はもちろんかかりませんし、食事も近くのコンビニで済ますことで、高くなりがちなスキー場での食事代を抑えることもできます。渋滞も考えなくて良いため、リフトの一日券を目一杯使い切ることができ、損した気分にもなりません。
3.通勤通学のストレスがない
田舎暮らしの場合、公共交通機関は都会ほど混雑しません。
人の多い都会では、電車やバス等の移動が多く、混みあった電車内では多々トラブルが起きます。また遅延などが発生した場合はいつも以上に混雑し、ストレスがとてもかかります。私自身、高校時代の通学で、毎日の満員電車がとても嫌で、この頃から田舎で暮らすことを考えていました。
田舎の場合、地域によっては公共交通機関の数が少なく、混雑する地域もあるようですが、リモートワークなどの場合はそもそも利用する機会がないので、人によっては気にしないことかもしれません。
ちなみに私の地域ではそもそも公共交通機関がバスしかなく、そのバスも3時間に1本あるかないかなので 利用すらしたことがありません。
4.マイホームを持ちやすい
田舎は土地がとにかく安いので、マイホームが持ちやすいです。住宅購入も地元の工務店等で購入することで、かなり安く建てることができます。そのため若くしてマイホームも夢ではありません。
ちなみに私は20代半ば、頭金なし、40年ローンで新築を手にしました。借りたローンもそんなに多くはないため、都会の1LDKを借りる家賃よりも安い金額で返済しています。
都会では小さな建売住宅しか購入できなくても、田舎の場合は家庭菜園もできるくらいの大きな土地に、新築なんてことも可能でしょう。
5.生活費がかさまない
生活費の中で特に家賃が安いことが非常に大きいです。
都会の場合、ファミリー向け賃貸の家賃が10万円以上することが多いですが、それ以上の広さの賃貸でもその半値5万円以下だったりします。場合によっては一軒家が月5万円で借りれるなんてこともあります。
また、自宅で野菜を作ったり、ご近所さんから生活に必要なものや野菜をもらったりする機会が増えてくるので、食費が安くなる傾向があります。
また外食する店も周辺にないので、その分自炊が増え、外食費も少なくなる傾向があります。
6.地元の人が親切
田舎で暮らすにあたり、人とのつながりがとても大切です。地域にもよりますが、地元のお祭りや集まりがあったり、地域での助け合いの精神が根付いています。
都会の場合、ご近所さんの顔もわからないということが多いですが、田舎で暮らしていくと隣人に合えば世間話をするほど関わる機会がたくさんあります。
人と人との距離は都会に比べてかなり近く感じます。
7.子育てがしやすい
都会で暮らしていると、子どもの泣き声や足音、遊んでいるときの声などとても気を使いますよね。ご近所からの苦情を気にして、子育てで肩身の狭い思いをしている人はとても多いと思います。
一方、田舎暮らしでその心配はほとんどありません。土地が広く、家同士も離れているので騒音を感じませんし、むしろ元気が一番と近所の人も子育てを応援してくれたり、泣いてる子をあやしてくれたりします。
子どもの顔や名前を覚えてもらって、声をかけてくれたり面倒を見てくれたりします。親としては少しでも多くの大人が目を配ってもらえることは非常にありがたいことです。
また、保育園や学校に関しても基本的に定員を下回っているため、待機児童等の問題もほとんどありません。
8.何かしら仕事がある
田舎には働き口が少なく、就職が大変というイメージがありますが、むしろ地方は人口減少などにより、人手不足が深刻となっています。とはいえ個人での経営が多く、大手の求人サイトに乗せていないなどの理由から、求人がないようにも見えますが、実際にその田舎に行ってみると求人のチラシが貼ってあったりします。
地元の人と付き合いがあるなかで求人の話も出たりするので、人とのかかわりを大切にすることで働き先を見つけることもできます。
9.雪国では雪遊びが楽しめる
雪の降る地域では、スキーやスノーボードなどのレジャーが気軽に楽しめます。
子どものいる家庭では庭で雪だるまを作ったり雪合戦をしたりと、雪遊びは子供にとっては非常に楽しめます。
雪国の家は暖房器具が常時つけっぱなしで温かいことが多いです。雪の中でビールを冷やし、温かい家の中でキンキンになったものを飲んだり、雪の中に野菜を保存して雪中野菜にしたり様々な活用方法もあります。
田舎暮らしの不満なこと
田舎暮らしはのんびりとした生活のイメージを持つ人もいますが、現実はそれだけではありません。いいこともたくさんありますが、都会とは違った欠点もあります。
いいことだけではなく、不満に思うこと、欠点もしっかり確認しておきましょう。
1.虫が多い
田舎暮らしをするにあたって、虫との共存は避けられません。これを理由に多くの人は田舎暮らしを躊躇してしまいます。ですが田舎暮らしの長い地元の方でも虫嫌いな人はいます。虫よけスプレーや虫の寄り付きにくいハーブの栽培などをして対策している人もいます。そういった方との付き合いのきっかけにもなるかもしれません。
古い賃貸、公営住宅に入居すると室内でも虫が入り込んだりすることがありますが、最近の新築はかなり断熱性や気密性が高まっているため、玄関を開けっぱなしにするなどしなければあまり気になりません。
また家庭菜園をするにあたってはミミズやハチなど植物の成長にかかせない虫もいるので、そう考えることができれば虫との共存も少しは考えられるのではないでしょうか。
2.娯楽施設が周辺にない
都会のように遊ぶ場所や買い物をする場所はありません。自然を楽しむ以外の遊ぶ場所は少ないので、インドアな遊びを中心に遊ぶ人は物足りなさを感じるかもしれません。もちろん百貨店や大きなショッピング施設もないため、こまめに買い物に行きたい人には欠点になりえます。
ですが今では様々なものがネットで簡単に買うことができます。配送は都会よりも1日から2日かかってはしまいますが、それが気にならないのであればさほど大きな欠点にはならないかもしれません。
3.車は必須
田舎には電車やバスが頻繁に走っていません。そもそも電車やバスがないなんて地域もあります。よって車は必要不可欠です。最寄りの店や、子どものいる家庭では保育園、学校の送り迎えも車が必要な場合もあります。
場合によっては夫婦それぞれ1台ずつ車が必要なんてこともあります。
田舎暮らしをこれから始める場合は、事前に運転免許や車の購入を検討しましょう。
4.賃貸住宅が少ない
田舎にはマンションなんてものはありません。
賃貸の場合、貸出の一軒家やアパート、公営住宅がほとんどです。これらも築年数の古いものが多い傾向があります。
田舎に移住を考えている場合、その地方自治体の公営住宅などを事前に調べておくことをお勧めします。
5.生活費が高くなる場合もある
田舎に移住した場合、車が必須となることが多いです。その場合、車の車検代や保険税金などの維持費、ガソリン代、雪国の場合は灯油代など、生活費が高くなってしまうこともあります。また、都会とは違いガスもプロパンが大半なので光熱費も高くなりがちです。
その分、家賃や食費は抑えることができますが、光熱費等は住む場所によって違いがあるので、事前に調べておく必要があります。
6.近所付き合いが面倒
都会とは違い人との距離が近いので、それが煩わしいと感じることがあるかもしれません。町内会の会合や祭りなどのイベントがあると、半強制的に参加しなければいけなかったり、中には地元消防団や町内会の役員を頼まれたりもします。
それらを断ると仲間に入れなかったり、良い関係を築けなくなったりもします。
事前に短期に滞在をしてみて地元の人と話してみるなど、リサーチしてみるのもいいかもしれません。
7.子どもの進学先が限られる
田舎には都会のようにたくさんの学校はありません、自分の学力や将来の目的のための学校を地元の中で選択することができません。
つまり子どもの学力や将来やりたいことに合わせた学校に通わせたい場合は、地元を離れて遠方の学校に通わせる、あるいは寮のある学校に入寮させるしかありません。
ちなみに私の住む田舎では公立の小学校が2校、中学高校がそれぞれ1校しかありません。
自然の中でのびのびと育てられる一方でそのこれらのような弊害もあります。
8.労働環境が悪い
田舎に移住して移住先で仕事を見つけようとした場合、都会に比べて最低賃金が低いこともあり、給料は低いです。
個人経営の小さな会社も多いため、そのような場合は労働環境も経営者により大きく変わります。
私は1次産業の会社に就職ていますが、季節によって忙しさが大きく変わります。閑散期ではわりかし残業もなく休日もありますが、繁忙期では労働時間はかなり長く休日も不定期。給料は月額固定なので繁忙期の中には時給に換算すると、最低賃金を下回っているのではないかというような月もあります。
9.雪国では雪かきが大変
雪が降る地域では冬の遊びを満喫できます。私の家でも子どもたちが庭で雪だるまを作ったり、雪でいろいろなものを作ったりとても楽しそうに遊んでいてほのぼのします。
ですが大人は毎日の雪かきが日課です。下手に放置すると、車で踏み固められた雪がでこぼこになり、車のバンパーが壊れるなんてこともあります。道路に除雪が入れば両脇に寄せられた雪の山で、駐車場に入れないなんてこともあります。
除雪機はとても高額ですし、スコップなどで雪をかけば気づいたら1時間以上かかってることもあります。
腰や体が痛くなる大変な作業です。
まとめ
下記の図のように田舎・地方での暮らしの良いこと不満に思うことは相互関係にあります。
他にも住んでいれば良いこと不満に思うことはたくさんありますが、これらのことは地域によっても大きく異なります。
例えば車を持っていたとして、地方都市から車で1時間程度の距離であれば休日に娯楽施設に行ったり、子どもを希望の学校に通わせることができたり最悪、地方都市であれば田舎よりも労働環境がましだったりします。
特に雪のレジャーをしない、老後の移住で雪かきをする体力がないというような人は雪の降らない地域に移住すればその心配もありません。
田舎で暮らすということはいいことばかりではありません。実際に住んでみると、上記のほかに不満に思うことや合わないことが出てきます。田舎暮らしを考える方は、それぞれの地域についてよく調べたうえで移住することをお勧めします。